【1月5日 AFP】北朝鮮の国営メディアは先月31日、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記が、完成した馬息嶺スキーリゾート(Masik Pass Ski Resort)を視察したと報じたが、公開されたリゾートの写真を見たスウェーデン企業アレコ(Areco)の経営者は目を疑った。

 欧州連合(EU)の経済制裁で北朝鮮へのぜいたく品の輸出は禁止されているにもかかわらず、公開された写真には、総延長110キロメートルとされるスキーコースやホテル、ヘリポート、リフトなどと並んでアレコの人工降雪機が写っていたからだ。

 3日付のスウェーデンの日刊紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)は、アレコの ヨハン・アーリン(Johan Erling)最高経営責任者(CEO)が「当社が直接、北朝鮮に(この機械を)販売したことはなく、なぜこの製品が北朝鮮にあるのか分からない」と語ったと報じた。

 報道された写真を見て驚いたアーリン社長は2日、中国にある同社の代理店に電話をかけたところ、代理店側も北朝鮮には販売していないと断言した。馬息嶺スキーリゾートの写真に写っていた人工降雪機は中古品とみられ、入手ルートを解明するのは困難だとアーリン社長は語った。

 EUは加盟国製のぜいたく品が北朝鮮政府のプロパガンダに利用されるのを防ぐため、これらの製品の北朝鮮への輸出を禁じる経済制裁を実施している。対象製品にはスキーやゴルフ、ダイビング、ウオータースポーツの関連用品が含まれている。(c)AFP