【1月5日 AFP】イラク治安当局者は4日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装組織「イラク・レバント(地中海東岸地域)のイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」がイラク西部アンバル(Anbar)州のファルージャ(Fallujah)を掌握したと明らかにした。

 治安当局によると、4日のアンバル州での戦いで、兵士8人、政府と同盟関係にある部族民2人、ISILの戦闘員55人の計65人が死亡した。

 首都バグダッド(Baghdad)の西に位置するアンバル州では、州都ラマディ(Ramadi)とファルージャの一部が数日前から武装勢力に掌握されており、2003年に米軍主導の多国籍軍が進攻した後の、両市が武装勢力の拠点になっていた数年間をほうふつとさせる状況になっている。

 アンバル州の治安当局高官はAFPの取材に対し、「ファルージャはISILの支配下にある」と述べたが、同市郊外は地元警察が掌握しているという。

 ファルージャにいるAFP記者も、通りには治安部隊やイスラム教スンニ(Sunni)派の部族による反アルカイダの治安組織「覚醒評議会(Awakening、サフワ、Sahwa)」の姿は見えないとして、ISILが同市を掌握したようだと話している。

 イラク地上部隊のアリ・ガイダン・マジード(Ali Ghaidan Majeed)司令官によると、戦闘に加わっているのは、治安部隊とその同盟関係にある部族、ISIL、反政府勢力「部族軍事評議会(Military Council of the Tribes)」の3集団だという。

 イラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相は4日、アンバル州から武装集団を排除する決意を示した。(c)AFP