【1月2日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が推進している医療保険制度改革法(通称オバマケア、Obamacare)の下での新しいプランでの保険適用が1日、始まった。今後は、これまで保険に加入できなかった数億人の米国人も医療保険の恩恵にあやかることができるようになる。オバマケアの実施をめぐっては、10年に成立して以降、政府機関が閉鎖するなど政治的な混乱をもたらしてきた。

 2014年1月1日以降、持病を理由に保険会社が医療費の支払いを拒否することや、基本的な部分において年間の支払総額に上限を設けることが違法となった。これまで、保険会社による支払の拒否や支払額の上限設定により、多くの人が経済的に苦しい状況に追いやられてきた。

 医療保険制度改革法の下では、すべての米国人に医療保険への加入が義務付けられる。未加入の場合、95ドル(約1万円)の罰金が科されるが、今後は最高で695ドル(約7万円)に引き上げられるという。

 米国では、推定1億5000万人が職場を通じて保険に加入しており、また貧困層や高齢者は政府のプログラムに登録している。これらの人々にはオバマケアの適用後も何ら変更はない。

 しかし民間の保険会社と直接契約し、現在は団体割引が適用されていない約2500万人は、今後医療保険登録サイト「Healthcare.gov」から希望する保険を購入できる。同サイトは国内36州で利用可能。その他14州でも、独自のサイトを運営している。

 米国政府は、14年3月末までに700万人の保険加入を目標としているが、現時点での加入数は約210万人にとどまっている。この数字は、事前の予測を大幅に下回っているが、これは10月にオープンして以来、ウェブサイトで障害が多発したことが原因とみられている。

 13年12月には、ウェブサイトのバグ修正にともない保険の加入数も急増した。これまでの210万人に加え、低所得者向けの保険「メディケイド(Medicaid)」を含むプログラムに加入可能な人が約390万人いるという。

 米国政府は、これら600万人の内、何人がこれまで保険に未加入だったかについては明らかにしていないが、この数字はオバマケアの成功の度合いを示すことになる。

 米国ではこれまで、約5000万人が医療保険に加入していないと言われている。(c)AFP/Ivan COURONNE