【12月24日 AFP】米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の米韓研究所(US-Korea Institute)は24日、最新の衛星写真を分析した結果、北朝鮮が寧辺(Yongbyon)にある主要核関連施設の全面再稼働に向けて「広範囲で大がかりな」作業を進めている可能性があると発表した。

 米韓研究所によると、プルトニウムを生産するための原子炉で使う燃料棒の製造を行っているとみられている、寧辺の核関連施設でなんらかの作業が行われていることが画像から判明したという。

 米韓研究所のブログ「38 North」に掲載された調査員のニック・ハンセン(Nick Hansen)氏のコメントによると、画像からは、今年再稼働した5メガワットの原子炉用の「燃料製造工場とみられる」施設1か所が特定された。

「新しい屋根のすすからは、熱を生じるプロセスが実施されたことが分かる。たとえば、燃料棒を組み立てる最中の熱処理に必要とされる溶鉱炉の使用などだ」とハンセン氏は述べた。すすは、燃料棒製造に使われるフッ化水素酸とみられている。一方、近くにある廃棄場とみられる施設には、大量の「灰色の物質」が確認された。これは燃料棒製造過程で生成される灰の疑いがあるという。

 北朝鮮が現在保有する核関連物質は、プルトニウムを中心に、核爆弾約6~10個を製造できる量と推定されている。

 金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の叔父で、国防委員会副委員長などを務めていた張成沢(チャン・ソンテク、Jang Song-Thaek)氏の2週間前の処刑を受け、北朝鮮の不安定化、もしくは北朝鮮内の結束強化を目指した核実験などの軍事的挑発が行われるのではないかとの懸念が広がっていた。(c)AFP