【12月22日 AFP】国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は22日、超大型の台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)で壊滅的な被害を受けたフィリピンが復興資金の不足に悩まされているとして、各国に支援の強化を呼び掛けた。

 被災地のタクロバン(Tacloban)を前日の21日に視察した潘事務総長は記者団に対し、「これをもう1つの忘れられた危機にしてはならない」とコメントした。潘事務総長によると、国連は被災地の救援や復興に7億9100万ドル(約823億円)の支援を呼び掛けたものの、これまでに集まったのはその30%程度にとどまっているという。

 台風30号は11月8日にフィリピン中部を直撃し、津波のような高潮に沿岸全域がのみ込まれた。上陸した台風としては史上有数の規模で、政府集計によると死者は6102人、行方不明者は1779人。

 被災地はポルトガルとほぼ同じ面積で、被害総額は129億ドル(約1兆3400億円) 、家を失った人は440万人に上った。フィリピン政府は、向こう4年間で復興を大幅に進めるには81億7000万ドル(約8500億円)の資金が必要との推計を公表している。(c)AFP