【12月17日 AFP】北朝鮮国営メディアのウェブサイトが、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の叔父、張成沢(チャン・ソンテク、Jang Song-Thaek)氏の処刑後、記事数万点を一斉に削除した。北朝鮮監視ウェブサイトのNKニュース(NK News)が16日、報じた。

 韓国ソウル(Seoul)を拠点とするNKニュースで北朝鮮のオンラインメディアの動向を監視するアナリストのフランク・ファインスタイン(Frank Feinstein)氏によると、北朝鮮の朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)のウェブサイトから約3万5000点の記事が消えた。またスペイン語、英語、中国語、日本語の記事6万5000点も削除された。一方、朝鮮労働党機関紙の労働新聞(Rodong Sinmun)のウェブサイトからは記事2万点が消えたという。

 KCNAのウェブサイトでは2013年10月より前の記事が一切閲覧できなくなっている。記事の削除が一時的なものかどうかは分かっていないが、削除は張成沢氏の処刑を受けたものとみられている。韓国の聯合ニュース(Yonhap News)も、北朝鮮のテレビで再放送されたドキュメンタリー番組から張氏の登場場面が削除されたと報じていた。

「これは彼ら(北朝鮮当局)が計算ずくで行ったことだ」と、ファインスタイン氏はNKニュースに語った。「(消去が)すべてのサイトにまたがっていることから、この指令が個々の機関の上位から出された可能性が最も高い」

 また別の匿名の専門家はNKニュースに対し、歴史を書き換えて金第1書記の指導者としての地位を盤石にするための行動かもしれないし、張氏に関連した記事を削除したかっただけかもしれないと語った。(c)AFP