【12月11日 AFP】世界のビデオゲーム市場は、次世代ゲーム機の投入やオンラインゲームの人気によって、2017年まで毎年11.1%成長すると予測する報告書が、フランスを拠点とするデジタル業界のリサーチ・コンサルティング企業IDATEによって発表された。今年の市場規模は推定539億ユーロ(約7兆6000億円)だが、2017年にはおよそ1.5倍の821億ユーロ(約11兆6000億円)に成長する見込みだという。

 現在ゲーム市場でしのぎを削っているソニー(Sony)、任天堂(Nintendo)、マイクロソフト(Microsoft)はそれぞれ、クリスマス商戦へ向けて最新のゲーム機を欧米でリリースしたばかり。IDATEは、こうした新機器が市場の成長をけん引していくと指摘している。

 ソニーの「プレイステーション(PlayStation)」やマイクロソフトの「Xbox(エックスボックス)」といった据え置き型ゲーム機の市場シェアは、現在31%だが、2017年までには40%になるという。他方、任天堂の「ニンテンドー3DS(Nintendo 3DS)」やソニーの「プレイステーション・ヴィータ(PlayStation VitaPS Vita)」といった携帯ゲーム機のシェアは22%だが、タブレット端末や携帯電話との競争激化によって、17年までに13%に落ち込むとされた。

「スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレットは、これまでとは全く異なるゲーム体験ができる。価格的にもタブレットは強力な競争相手になる」と、IDATEでゲーム市場を担当するローラン・ミショー(Laurent Michaud)氏は言う。「タブレットとゲーム機どちらにするかの選択が、次世代ゲーム機の成功を左右するだろう」

 オンラインゲームの人気にともない、オフラインのコンピューターゲームは低迷するばかりで回復の見込みはない。オンラインゲーム人気は、中国と韓国のゲーム市場での独占状態に根ざしていると、ミショー氏は指摘している。

 同氏はダウンロード販売されるゲームについて、「『Free2Play』(基本料金が無料のゲーム形態)へと向かう傾向があり、ゲームの質が良いため、大きな人気を集めているのは驚くべきことではない」と述べている。

 2013年から17年にかけて、オンラインゲームは年平均11.4%、携帯ゲームは同12.2%の成長が予測されている。(c)AFP/Lucie GODEAU