【12月9日 AFP】国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の査察官らは8日、イラン西部アラク(Arak)で建設中の重水炉を査察した。国際社会から軍事目的ではないかとの懸念が上がっている同重水炉の査察は、2011年夏以降初めて。

 1日間のみ行われた査察は、IAEAのイラン担当部門トップ、マッシモ・アパロ(Massimo Aparo)氏ら2人の査察官が実施したが、その結果について今のところ詳しい情報は入っていない。

 同国の核開発計画への懸念の明確化を目指すIAEAとイラン政府は11月中旬、核関連施設の査察受け入れなどで合意しており、今回の査察はこの合意内容に基づき実施された。

 イランの核開発は、同国が軍事目的への転用を狙っていると疑う国際社会と、それを繰り返し否定するイラン政府の間での、長年にわたる対立の種となってきた。

 アラクにある研究用の小型重水炉は、もし同国政府が再処理施設を建設すれば、核兵器への転用が可能なプルトニウムの使用済み核燃料からの抽出が理論上は可能になることから、懸念を集めている。(c)AFP/Mohammad Davari