【12月6日 AFP】シンガポールでフルマラソン大会に出場し、地元出身の出場者の中では最上位でゴールして主催者を驚かせた菓子職人が、実は6キロしか走っていなかったことを認めた。ここ数年、同様の不正を行っていたという。地元紙が5日、報じた。

 1児の父であるタム・チュア・パー(Tam Chua Puh)さん(43)は、1日開催のマラソン大会で、シンガポールの一流長距離陸上選手らよりも数分早い2時間46分でゴールし、周りを驚かせた。

 ところが、タムさんは、膝に痛みを感じたため途中でレースを諦め、そこからゴールまで近道を使ったため、全長42キロのコースのうち6キロしか走行しなかったことを認めた。

 眼鏡、野球帽、バギーショーツを身に着け、膝にサポーターを巻いたタムさんはゴール直後には1位と告げられていたが、迅速な確認作業の結果、チェックポイントを一切通過していなかったことが分かり、主催者により失格処分となった。

 タムさんは日刊紙ストレーツ・タイムズ(Straits Times)に対し、完走者に贈られるメダルとTシャツを必ずもらえるようにしたかっただけだと弁明。シンガポールで行われた過去2回のマラソン大会でも、途中でレースを諦め、救護車にゴール近くまで送ってもらったことを打ち明けた。

 タムさんは同紙に対し、「誰かを怒らせたとしたら謝ります。主催者にこれほどの迷惑をかけることになるとは思いませんでした」と話し、「途中で家に帰ろうとは思いませんでした。それでは諦めることになりますから」と付け足した。(c)AFP