【12月4日 AFP】(写真追加)クリスマス・プレゼントで頭を悩ませている方、もし100万ドル(約1億円)相当の本物のピカソ作品を135ドル(約1万4000円)で入手できる可能性があるとしたらどうしますか──。近代絵画の巨匠パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)のキュビズム絵画が、今月行われるチャリティーくじの景品として匿名の人物から寄贈された。ガッシュで描かれたこのピカソ作品は、米ニューヨーク(New York)の画廊で購入され、チャリティーに寄贈されたものだという。

 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)公認のこのチャリティーくじは、レバノン南部にある古代フェニキア人が建設した古代都市ティール(Tyre)の支援資金として500万ドル(約5億1200万円)を集めることを目指したものだ。1枚100ユーロ(約1万4000円)のくじ5万枚が発売されたが、すでに4万枚が売れた。

 チャリティーのPRでは、ピカソの孫で米ニューヨーク在住のオリビエ・ピカソ(Olivier Widmaier Picasso)氏が先頭に立って残り1万枚の購入を募っている。抽選は18日に競売大手サザビーズ(Sotheby's)のパリ支店で行われる。

 集まった資金は、現在ティールに住む若者や女性、障害者の雇用を創出するための「伝統工芸村」の設立、さらには首都ベイルート(Beirut)にフェニキア研究を行う学術機関設置のために使われる。

 オリビエ・ピカソ氏は「くじを買って2倍の喜びが味わえる。一つは非常に興味深い遺産保護プロジェクトを支援できること、もう一つは、もしかすると、自分のリビングの壁にピカソの絵を飾ることができるかもしれないことだ」と宣伝している。(c)AFP/Jennie Matthew