【11月25日 AFP】内戦が続くシリアで、これまでに1万1000人以上の子供が死亡し、うち400人近くが狙撃を受けて殺害されたとの調査報告書を、英シンクタンクが24日、発表した。

 世界の安全保障分野に特化した英シンクタンク「オックスフォード・リサーチ・グループ(The Oxford Research Group)」が発表した報告書「盗まれた未来:隠されたシリアの子供の死者数(Stolen Futures: The hidden toll of child casualties in Syria)」によると、シリア内戦が始まった2011年3月から2013年8月までで、記録が残っている17歳以下の子供の死者数は1万1420人に上ることが分かった。

 うち死亡原因が記録されている子供は1万586人で、128人が首都ダマスカス(Damascus)近郊グータ(Ghouta)地区で2013年8月21日に発生した化学兵器攻撃によって死亡していた。この攻撃については、米国など各国がバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領政権によるものだとして非難の声を上げている。

 また、764人は即時処刑で、389人は狙撃を受けて殺害されていた。

 全体の70%以上が爆発物の爆発で、25%以上が銃弾により死亡していた。また、殺害された子供の男女比は、およそ2対1で男子の方が多かった。

 報告書の共著者、ハミット・ダルダガン(Hamit Dardagan)氏は、「世界は、シリア内戦が子供たちに与えた影響について、より大きな関心を持つ必要がある」と訴えている。(c)AFP