【11月21日 AFP】パリ(Paris)の左派系新聞社と銀行の本社で18日に起きた連続発砲事件で、同国の警察は20日、容疑者の男の身柄を拘束した。検察当局が発表した。

 検察によると、パリ北西郊ボワコロンブ(Bois-Colombes)の地下駐車場で午後7時(日本時間21日午前3時)ごろ、容疑者に「容貌が酷似した」男が車の中にいるのが見つかり、身柄を拘束された。

 捜査に近い複数の筋によると、警察は男のDNAサンプルを採取し、事件現場から採取されたサンプルと照合している。うち1人の情報筋によると、結果は現地時間の20日午前1時~2時(日本時間同日午前9時~10時)に判明するという。

 検察当局は、男はすぐに取り調べを受ける状態にはないと述べたが、詳しい説明は控えた。捜査に近い複数の筋によると、男は発見された時、意識がはっきりしない状態にあったという。うち1人の情報筋は、「おそらく薬物を摂取した結果で、自殺未遂の可能性もある」と話している。

 ボワコロンブ市長は報道陣に対し、男が現場から救急車で運ばれるのを見たと語った。複数の警察筋によると、パリ周辺の病院に搬送され、治療を受けているという。

 事件では18日朝、パリの左派系新聞社リベラシオン(Liberation)本社で男が12番口径の散弾銃を発砲、撃たれたカメラマン1人が重体となった。その直後、ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)本店前でも同一犯によるものとみられる発砲があり、犯人はカージャックをしてシャンゼリゼ(Champs Elysees)通りに向かった後、行方をくらましていた。

 大規模な捜査を開始した警察は19日、容疑者の新しい写真を公開し、何百件もの目撃情報を受け取っていた。身柄拘束に先立ち、警察には男の目撃証言が寄せられていた。

 捜査に近い筋によると、この目撃者は容疑者の男をかくまった男性で、「男は発砲事件について『愚かな間違いをした』と男性に語った」という。(c)AFP