【11月16日 AFP】有名企業や高級店が入居するビルも多い韓国・ソウル(Seoul)の江南(Gangnam)区で16日、飛行中のヘリコプターが高層マンションに衝突して墜落し、操縦士2人が死亡した。

 消防防災庁(National Emergency Management AgencyNEMA)によると、事故を起こしたのは民間ヘリコプターで、高層マンションの最上階付近で複数の部屋に当たった後、墜落した。

 匿名を条件にAFPの取材に応じた消防防災庁関係者によれば、ヘリコプターはLG電子(LG Electronics)が所有するもので、搭乗していたのは操縦士の2人だけだった。2人は死亡が確認されたが、アパートの住人に負傷者はいなかった。関係者は、「濃霧で視界が悪かったのではないか」と話している。

 一方、LG広報部門の幹部がYTN TVのインタビューで語ったところによると、ヘリは出張で南部の全州(Jeonju)に向かう同社幹部を迎えに行く途中だった。

 テレビのニュースでは、高級アパートの壊れた窓ガラスや壁、LGのロゴが描かれたヘリコプターの残骸などが映し出された。異例の事故を受け、警官や救助隊員、兵士ら数百人が周辺の住民を避難させ、残骸の撤去作業の支援にあたった。

 江南は昨年、韓国人歌手PSY(サイ)さんの「江南スタイル(Gangnam Style)」が世界的にヒットしたことで広く知られるようになった。100万ドル(約1億円)程度の高級マンションも多いという。(c)AFP