【10月31日 AFP】北アフリカで活動するイスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」に拉致され、3年間にわたり人質となっていたフランス人男性4人が30日に帰国し、家族と再会した。一方で、4人の解放に当たっては、少なくとも2000万ユーロ(約27億円)の身代金が支払われたとの疑惑が持ち上がっている。

 ティエリ・ドル(Thierry Dol)さん(32)、ダニエル・ラリブ(Daniel Larribe)さん(62)、ピエール・ルグラン(Pierre Legrand)さん(28)、マルク・フェレ(Marc Feret)さん(46)の4人は、2010年9月16日、ニジェール北部アルリット(Arlit)のウラン加工施設での勤務中にAQIMによって拉致された。

 フランス当局は今月29日、4人が解放されたと発表。4人は翌日、ニジェールの首都ニアメー(Niamey)からパリ(Paris)に飛び、空港で家族とフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領に迎えられた。

 仏政府は身代金の支払いを否定しているが、ニジェールの交渉チームに近い筋はAFPの取材に、2000万~2500万ユーロ(約27億~34億円)が犯行グループと仲介人に支払われたと語った。仏紙ルモンド(Le Monde)も、交渉チームに近い仏情報筋の話として、2000万ユーロ(約27億円)以上が支払われたと伝えている。

 だがローラン・ファビウス(Laurent Fabius)外相は、仏民放テレビTF1の番組に出演し、「公的資金は一切支払われていない」と述べつつも、民間資金が使われたかとの質問に対しては明確な返答を避けた。

 AQIMは、最低でも9000万ユーロ(約120億円)の身代金を支払わなければ4人を解放しないと主張していたと報じられている。(c)AFP/Michael MAINVILLE