【10月31日 AFP】シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は30日、同国を訪問中の国連とアラブ連盟(UN-Arab League)合同のシリア特別代表、ラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)氏と会談し、ジュネーブ和平会議に向けた取り組みの運命を決めるのはシリア国民だけだ、と主張した。

 ブラヒミ氏は、スイス・ジュネーブ(Geneva)で開催予定の和平会議に対する支持を求めるため中東諸国を歴訪中だが、1時間足らずで終了した会談で、アサド大統領は会議への出席を拒否。シリア国営メディアによると、「シリアの将来を決める権利を持つのはシリア国民だけだ」と語り、「テロリストへの支援を終わらせること、そして彼らを支援する各国に圧力をかけること」が、対話に向けた準備の「最も重要なステップだ」と述べた。

 シリア国営テレビによると、一方のブラヒミ氏は、2011年3月以来続く内戦状態の終結に向けた解決策はシリア国民自身が見出す必要があると述べ、アサド大統領の考えに同調。「ジュネーブ会議の開催に向けた取り組みは、シリア国民自身が話し合い、危機の早期解決への合意の道を見つけることに焦点を置いている」と述べたという。

 ダマスカス(Damascus)近郊では会談の前日、赤新月社(Red Crescent)が政府軍によって閉鎖された地域から数百人の市民を避難させた。避難は、体制側と反体制側、国際社会の異例の協力の下で行われた。(c)AFP