【10月25日 AFP】13-14フィギュアスケートGPシリーズ第2戦スケート・カナダ(2013 Skate Canada International)の開幕が迫る中、スケート・アメリカ(Skate America 2013)で優勝した浅田真央(Mao Asada)と町田樹(Tatsuki Machida)の後に続こうとする鈴木明子(Akiko Suzuki)、羽生結弦(Yuzuru Hanyu)、織田信成(Nobunari Oda)、無良崇人(Takahito Mura)らが現地入りした。

 先週ミシガン(Michigan)州デトロイト(Detroit)で行われたシーズン開幕戦のスケート・アメリカでは、スター選手の浅田が納得の勝利を挙げ、男子では優勝候補と見られていなかった町田が衝撃的な結果を残した。

 シーズン第2戦となる今大会で、日本勢男子の羽生、小田、無良は世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2013)3連覇を誇るカナダのパトリック・チャン(Patrick Chan)と顔を合わせることとなる。

 一方28歳の女子のベテラン鈴木は、前年覇者で地元出身のケイトリン・オズモンド(Kaetlyn Osmond)やロシアのユリア・リプニツカヤ(Julia Lipnitskaia)、米国のグレイシー・ゴールド(Gracie Gold)など、10代のライバル5人としのぎを削る。

■世界選手権の屈辱を晴らしたいベテラン鈴木

 今大会には世界9か国から51人の選手が集まって、メダルと、シーズン最終のグランプリ(GP)ファイナルへの出場権を目指して氷の上での戦いを繰り広げる。12月に福岡(Fukuoka)で開催されるGPファイナルは、2月のソチ冬季五輪に向けたリハーサルと見なされている。

 この大会ではバンクーバー冬季五輪の金メダリスト、金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ)が足のけがを理由に出場を取りやめたため、鈴木の優勝の可能性が多いに高まっている。

 昨季のカナダでは2位、GPファイナルでは3位に入った鈴木だが、世界選手権では緊張に耐えることができず12位という結果に終わった。鈴木は今大会で、この屈辱的な結果から立ち直らなければならない。

「(世界選手権では)前年に銅メダルを獲得したので、それ以上を目指そうとしたらあまりにも緊張してしまった」とバンクーバー五輪では8位に入った鈴木は話す。

「今季は現役最後のシーズンなので、出る大会すべてを楽しみたい。(全日本選手権では)努力して五輪チームに入ることを目指す。日本にはとても強い女子選手がいるので、難しくなるだろう」

■日本男子は「世界に存在感を示している」

 24日の練習で女子は難易度の高い技もこなし、素晴らしい状態を見せていたが、その一方で男子は全体的に安定性と自信に欠けているように見えた。

 それでもチャンと3人の日本勢はそれぞれ4回転ジャンプを成功させた。

「(練習では)少し苛立った。調整するところが多くあった。でも自分がすべきことはすべてやった」とチャンは語る。チャンは昨年、十分な準備を整えることができないままこの大会に臨み、2位という結果に甘んじた。

 また、チャンは男子日本勢について、「2014年五輪で最大のライバルになるだろう」と話す。

「彼らはフィギュアスケートを構成する要素すべてを完璧なものに仕上げる。世界に存在感を示している。だから日本ではこんなにもフィギュア人気が急激に高まっているのだと思う」

 とはいえ、日本勢の男子トップで昨季の世界選手権では4位に入った羽生は練習で完璧からはほど遠いスケートを見せていた。しかし、バンクーバー五輪で金妍児を金メダルに導いた経歴を持ち、現在は羽生のコーチを務めるブライアン・オーサー(Brian Orser)氏はあまり心配はしていないという。

「彼が練習ですごくいいスケートを見せ、何もかもが完璧だった時の方が心配になるんだ」とオーサーコーチは言う。また同コーチは、羽生がソチで表彰台に上がるポテンシャルを持っていると信じているとも話す。

 羽生はライバルが練習している姿を見て、気を取られてしまったと説明し、次回は自身のパフォーマンスだけに集中したいとコメントした。

「2つのプログラム両方で完璧なスケートをして勝ちたい。GPファイナルへの出場を決めたい」 

 アイスダンスではカナダの五輪メダリスト、テッサ・ヴァーチュー(Tessa Virtue)/スコット・モイア(Scott Moir)組が優勝候補との呼び声が高い。

 同じくカナダ勢で、昨シーズン世界選手権3位のメダリストメーガン・デュアメル(Meagan Duhamel)/エリック・ラドフォード(Eric Radford)組はペアでの優勝が有力視されている。

 各部門の第1プログラムは25日に、第2プログラムは26日に行われる。(c)AFP/Laurie Nealin