【10月23日 AFP】世界24か国と欧州連合(EU)が委員を務める南極海洋生物資源保存委員会(Commission for the Conservation of Antarctic Marine Living ResourcesCCAMLR)の年次会合が23日、オーストラリアのホバート(Hobart)で開幕した。

 年次会合では南極に2か所の海洋保護区を設置して水資源を守る計画が議題に上がっているが、今年7月にドイツで開かれた特別会合では漁業禁止区域の設置にロシアが反対し計画は阻まれた。

 オーストラリアとフランス、欧州連合は南極大陸のインド洋側にあたる東南極(East Antarctica)沖に、160万平方キロの海洋保護区を設置する計画を提案している。保護区内の漁業は合意のもとで初めて可能になる案だ。

 一方、米国とニュージーランドは南極大陸の太平洋側に面しているロス海(Ross Sea)に、125万平方キロの保護区を設置する計画を提案。同案では、保護区内は漁業が全面禁止される。

 CCAMLRでは24か国と欧州連合の25委員の全会一致が必要なため、いずれの案もこれまでのところ合意に至っていない。

 CCAMLRのアンドリュー・ライト(Andrew Wright)氏は23日、2か所の海洋保護区の設置案について「本会合で結果を得る」見込みを表明。「現状の形式で全て通るかどうかは確信はないが、両計画について修正が加えられ、1つないし、願わくば両方ともが成立することに対しては、かなり確信を持っている」とAFPに述べた。(c)AFP