【10月11日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の元テストドライバー、マリア・デ・ビロタ(Maria de Villota)さんが11日朝、セビリア(Seville)市内のホテルで遺体で発見されたと、警察当局が明らかにした。33歳だった。

 当局は、「遺体はセビリア市内のホテルで発見されました。暴行を受けた形跡はありませんでしたが、検視結果を待つ必要があります」とコメントしている。

 元F1ドライバーのエミリオ・デ・ビロタ(Emilio de Villota)氏の娘であるマリア・デ・ビロタさんは、2012年にマルシャ(Marussia F1 Team)に加入し、F1に挑戦する初めてのスペイン人女性となった。

 しかしその4か月後、デ・ビロタさんは英ケンブリッジシャー(Cambridgeshire)のダックスフォード飛行場(Duxford Aerodrome)で行われたマルシャ(Marussia F1 Team)のテスト走行でクラッシュし、右目を失明した。

 デ・ビロタさんの家族は、彼女のフェイスブック(Facebook)にメッセージを掲載している。

  「マリアは私たちのもとを離れていきました。彼女は天使のように天国へ行かなくてはならなかったのです。彼女と私たちに特別な一年半を与えてくれた神様に感謝を捧げます」

 女性として自動車競技に挑戦する第一人者となったデ・ビロタさんの訃報は、モータースポーツ界に衝撃を与えた。

   F1で2度の年間王者に輝いているフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)は、スペインのスポーツ紙マルカ(Marca)に対し、「ショックだよ。先ほど知ったばかりだから」と語った。

   「僕たちは彼女のために祈り、彼女の家族に寄り添わなければならない。マリアは僕たち、そしてモータースポーツの家族全員に愛されていた」

 スペイン自動車連盟(Spanish Automobile Federation)のカルロス・ガルシア(Carlos Garcia)会長も哀悼の意を表している。

 スペインの国営ラジオ番組でガルシア会長は、「先ほど確認した。それを受け入れることはとても難しい」と語った。

「彼女は素晴らしい人物で、誰の手本にでもなれる人だった」

(c)AFP