【10月11日 AFP】今年のノーベル平和賞の有力候補と目されるマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さん(16)が10日、欧州議会(European Parliament)が人権擁護活動で貢献があった人物や団体に授与するサハロフ賞(Sakharov Prize)を受賞した。

 マララさんの受賞が発表されると、会場では割れるような拍手が湧き起こった。マルティン・シュルツ(Martin Schulz)議長は受賞理由として、「マララさんは、あらゆる子どもが公平な教育を受ける権利のため、勇敢にも立ち上がった。特に少女たちの教育権は、あまりにも広く無視されている」ことを挙げ、「この若き女性が持つ驚くべき強さを称賛する」と述べた。

 マララさんは、イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」を公に非難したことから、昨年10月9日、同組織によって頭部を撃たれ、重傷を負った。現在は子どもが学校へ行く権利を世界規模で訴えると同時に、最も過激なイスラム組織との闘いの象徴ともなっている。

 マララさんの同賞受賞を受け、TTPは直ちに、「米国にいようが英国にいようが」マララさんの殺害を目指すと改めて表明。シャヒドラ・シャヒド(Shahidullah Shahid)報道官はAFPに対し、「彼女は何も成し遂げていない」として、「受賞したのは反イスラム活動を行っているからだ」と述べた。

 現在ニューヨーク(New York)に滞在中のマララさんから、受賞に当たってのコメントはまだ出されていない。マララさんには、11月20日にフランス・ストラスブール(Strasbourg)で行われる授賞式で、賞金5万ユーロ(約660万円)が贈呈される。(c)AFP/Arnaud BOUVIER