【10月10日 AFP】エジプトの裁判所は9日、デモ参加者の殺害を扇動した罪で訴追されたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領の初公判を、11月4日に行うことを決めた。半国営の中東通信(MENA)によると、公判は首都カイロ(Cairo)の地方裁判所で開かれる。

 昨年12月5日、大統領権限を拡大する大統領令などに抗議して大統領府前で座り込んでいた反モルシ派を、モルシ氏を支持するイスラム主義組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」メンバーらが排除しようとして双方が衝突し、7人が死亡した。モルシ氏はこの衝突で自らの支持者に計画的な殺人を扇動したとして、他の14人と共に訴追された。

 ムスリム同胞団は、死者の大半はイスラム主義者だったと主張しているが、反モルシ派はこれを否定している。犠牲者のうちの少なくとも1人は反モルシ派のジャーナリストだった。

 軍により7月に解任され、身柄を拘束されたモルシ氏をめぐっては、解放を求める支持派と軍が樹立した暫定政権が対立しており、モルシ前大統領の公判は、この行き詰まりをさらに深める可能性が高い。(c)AFP/Jay DESHMUKH