【10月9日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は8日、ホワイトハウスで記者会見し、米国の債務不履行(デフォルト)を各国が懸念していると述べ、 野党・共和党への圧力を強めた。また共和党に求めている無条件での債務上限引き上げの考えについても、譲歩しないことを再確認した。

 共和党のジョン・ベイナー(John Boehner)下院議長はオバマ大統領のこの発言に対し、「(共和党が)無条件で降伏することはあり得ない」と主張。議会は大統領が歳出削減に同意した場合にのみ歩み寄るだろうと述べ、譲ることはなかった。

 だが予算不成立による政府機関の一部閉鎖と、17日に期限を迎える連邦政府債務の上限問題については、わずかだが希望の兆しもある。

 オバマ大統領は、必要ならば資金確保のために限定的な上限引き上げを受け入れ、政府機関の業務再開に向けて動く考えがあると述べた。この措置により、債務不履行は先延ばしできる。

 しかし、政府債務返済のための資金確保で共和党に同意してもらったとしても、医療保険制度改革法の見直しには応じられないとオバマ大統領は断言している。

 オバマ大統領は記者会見で「ある党が自らの主張を押し通し、それがかなわない場合は全てを台無しにするかもしれないといった事態を、各国の首脳たちはまだ見たことがない」と述べた。さらに「このまだ見たことのない事態に彼らは神経をとがらせている」と続け、共和党に対する圧力を強めた。

 米国の最大の債権国である中国は前日、米国が自らの信用価値と世界の準備通貨としての信頼性を証明するために残された時間はなくなりかけていると警告していた。

 また、8日のニューヨーク株式市場は続落。投資家らは事態打開に向けた政府の対応が手遅れになる可能性もあるとして、懸念を強めている。(c)AFP/Stephen COLLINSON