【10月9日 AFP】2012年5月のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏の大統領就任前日に起きた抗議デモを主導した罪に問われていた被告の裁判で、ロシアの裁判所は8日、有罪を言い渡したが、被告には精神疾患があるとして、医療施設での強制的な治療を決定した。

 裁判所は、事件当日にミハイル・コセンコ(Mikahil Kosenko)被告が機動隊に対して暴力行為を行ったことについても有罪との判断を下したが、精神疾患を理由に責任能力はないとした。

 被告の弁護士はAFPに対し、「裁判所は、コセンコ被告に医療施設での強制的な治療を決定した」と明らかにし、決定が旧ソ連時代の保安処分を想起させるものだと述べた。

 コセンコ被告は軽度の統合失調症と診断されているが、通常は薬の投与で済むレベルだという。

 コセンコ被告の他にも、同日の抗議デモを主導したとして10人以上の活動家が罪に問われている。比較的静かに始まったデモだったが、最終的には暴力行為を伴うものにエスカレートしていった。

 AFPの記者によると、コセンコ被告に対する判決の言い渡し終了後、裁判所の外に集まっていた多くの活動家が「恥を知れ」「自由を」と叫び始めたという。(c)AFP