【10月3日 AFP】2年に1度開催される米国選抜と世界選抜による男子ゴルフの対抗戦、第10回プレジデンツ・カップ(2013 The Presidents Cup)は2日、初日に行われるフォアボール6試合の組み合わせが決定した。

 1998年大会以来のタイトル奪回を目指すためには、初日に好発進することが重要となる世界選抜は、アダム・スコット(Adam Scott、オーストラリア)、ジェイソン・デイ(Jason Day、オーストラリア)、松山英樹(Hideki Matsuyama)、グラハム・デ・ラエト(Graham DeLaet、カナダ)にその任務を託した。

 ジンバブエ出身のニック・プライス(Nick Price)が主将を務める世界選抜は、初日に従来のフォアサムではなくフォアボールの6試合に臨む。1996年大会で実施されたスケジュールへの変更はプライスの要望を受けてのことだった。

 これについてプライスは、「最も難しいフォーマットであるフォアサムからフォアボールへの変更は非常に重要なことだ。前向きな変化だと私は思っている。私たちのチームにとっては間違いなくそうだ」と見解を述べた。

 過去の戦績は7勝1敗1分けで米国選抜がリードしており、今年の舞台であるジャック・ニクラス(Jack Nicklaus)氏設計のミュアフィールド・ビレッジGC(Muirfield Village GC)は過去に米国と欧州による対抗戦、男子のライダーカップ(Ryder Cup)と女子のソルハイムカップ(Solheim Cup)の開催経験がある。

 第1試合に登場するデイ/デ・ラエト組はハンター・メイハン(Hunter Mahan)/ブラント・スネデカー(Brandt Snedeker)組と対戦し、第2試合のスコット/松山組はビル・ハース(Bill Haas)/ウェブ・シンプソン(Webb Simpson)組と顔を合わせる。

 プライスは、「ジェイソンとグラハムはこれまでも相性の良いプレーを見せていたし、2人とも熱いタイプ。第1試合に送り込むペアは、ほかに考える余地もなかった」と語った。

 今年のマスターズ(The Masters Tournament 2013)王者で、オーストラリアを代表するスター選手のスコットにとって、日本のスター選手、21歳の松山とのペアリングは言語の壁が多少あるものの、心弾ませるものとなっている。

 スコットは松山について、「ゴルフは世界共通語。誰でも理解し合える。彼のプレーは素晴らしい。緊張は少しするだろうが、最初のティーショットをど真ん中に打てれば、それも大丈夫だろう」とコメントした。

■米国選抜のミケルソン「厳しい戦いになる」

 今年の全英オープン(The 142nd Open Championship)を制したフィル・ミケルソン(Phil Mickelson)はキーガン・ブラッドリー(Keegan Bradley)と一緒に、第3試合でシャール・シュワーツェル(Charl Schwartzel)、ルイ・ウーストハイゼン(Louis Oosthuizen)の南アフリカ出身ペアと対戦する。

 米国で神童と呼ばれている20歳のジョーダン・スピース(Jordan Spieth)はベテランのスティーブ・ストリッカー(Steve Stricker)と組んで、メジャー通算4勝を誇るアーニー・エルス(Ernie Els、南アフリカ)/ブレンドン・デ・ジョン(Brendon de Jonge、ジンバブエ)組と対戦する。

 対戦相手の発表を受けてミケルソンは、「今季のウーストハイゼンは故障もあったが、現在は明らかに100%の状態だね。プレーにキレがあり、そこにハングリーさが加わることで手強い相手になる」と述べた。

「厳しい戦いになるよ。とはいえ、キーガンも私も好調だ。万全の準備ができているし、私たちはお互いのベストを引き出せる組み合わせなんだ」

 世界ランク1位のタイガー・ウッズ(Tiger Woods)は、マット・クーチャー(Matt Kuchar)とのペアでアルゼンチンのアンヘル・カブレラ(Angel Cabrera)、オーストラリアのマーク・リーシュマン(Marc Leishman)を迎え撃つ。

 残る南アフリカ勢、リチャード・スターン(Richard Sterne)/ブランデン・グレース(Branden Grace)組は第6試合でザック・ジョンソン(Zach Johnson)と第95回全米プロゴルフ選手権(2013 PGA Championship)覇者のジェイソン・ダフナー(Jason Dufner)と対戦する。

 米国選抜の主将を務めるフレッド・カプルス(Fred Couples)は、大会開幕を控え、「いいスタートを切りたい。序盤に崩れれば、取り戻すのに相当なプレーが必要となる。これまでは初日の試合でそれなりに成功を収めてきたが、今回はフォアサムじゃなくてフォアボールに変わった」と慎重な姿勢を見せた。

 南アフリカで開催された2003年大会で引き分けに終わって以来、世界選抜は4大会連続で米国選抜にタイトルを譲っている。そのうち3大会では初日に負け越しており、世界選抜が各セッション後に通算ポイントで優位に立ったのは、2005年大会2日目のフォアボールを終えた時点が最後となっている。

 プライスは「スタートは肝心だし、チーム内の力のバランスや出身国の幅広さもあり、世界選抜では大会初日からフォアサムで黄金ペアを組み合わせるのは非常に難しい。今年は新たな戦いになる。フォアボールになってうれしいよ」と語った。

 欧州選抜が相手となるライダーカップに比べてプレジデンツカップはリラックスした感じがあると指摘する米国選手も数名いるが、両対抗戦を通じて19大会連続の出場となるミケルソンの勝負にかける思いは強い。

「確かに穏やかな雰囲気はあるかもしれない。それでもかなりの真剣勝負だ」

(c)AFP/Jim Slater