【9月20日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2013)を制したアンディ・マレー(Andy Murray、英国)が、腰の手術を理由に23日開幕のタイ・オープン(Thailand Open 2013)欠場を表明し、今季はプレーしない見通しとなった。

 今季のマレーは腰の椎間板の問題に悩まされ、6月に行われた全仏オープン(French Open 2013)は出場を回避し、症状を和らげるための休養期間を設けた後、自身初のウィンブルドン制覇を達成した。

 発表を受けて、マレーのツイッター(Twitter)アカウントには次々と激励メッセージが投稿され、多くのサポートに対してマレーは感謝を示した。

「今日はたくさんの素敵なメッセージをもらって感謝している。手術は月曜日(23日)に行う。みんなには経過を報告するよ。強くなって“戻ってくる”」

■5月のイタリア国際で悪化、ツアーファイナルも欠場へ

 世界ランク3位で現在26歳のマレーが体にメスを入れることについて、同選手の代理人が19日に発表している。

 マレーのマネージメント会社は、「アンディは来週、長引いている腰痛を根本的に治療するため、背中の手術を受けることになりました」とコメントした。

「途中棄権を余儀なくされた今年のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2013)で状態が悪化し、5月の時点で複数の医師に意見を求めるようになりました」

「負担の少ないグラスコートで復帰し、エイゴン選手権(AEGON Championships 2013)とウィンブルドンでは成功を収めましたが、ハードコートとクレーコートが続いたことで、アンディは一度で完治させる方法について改めて医師に相談しました」

「万全な状態で来シーズンに臨むことを目標としています」

 マレーが連覇を目指していた全米オープン(The US Open Tennis Championships 2013)では、自身のベストからはほど遠く、準々決勝でスタニスラス・ワウリンカ(Stanislas Wawrinka、スイス)にストレート負けを喫した。

 その後、13日から15日にかけて行われたデビスカップ(Davis Cup 2013)では、クロアチアとのワールドグループ・プレーオフに臨み、英国のワールドグループ残留に貢献した。

 しかし、手術に踏み切ることになった今、残り1か月となった今シーズン中のプレーは絶望的となり、11月にロンドン(London)で開催されるATPツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2013)も欠場することになる。

■2014年シーズンの復帰を目標とするマレー

 マレーの腰痛は5月のイタリア国際で悪化した。マルセル・グラノジェルス・プジョル(Marcel Granollers-Pujol、スペイン)と対戦した2回戦で途中棄権するまでに追い込まれ、全仏オープンの欠場にもつながった。

 マレーの場合、椎間板が腰の神経を刺激しているため、臀部から太ももにかけて痛みが伝わることもある。症状を振り返ると、グラスコートに比べてクレーや硬いサーフェスでプレーしている時により深刻化している。

 マレーと彼のチームは故障が表面化して以降、慎重に症状と向き合ってきた。そして、ウィンブルドンの決勝でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を破り、英国人男子として77年ぶりの王者に輝いた際には、一切の不安を感じさせることはなかった。

 しかし、蓄積された負担は否定できず、忘れられないシーズンも終盤に入って大きな打撃を受けたが、現在のマレーは手術によって万全な状態を取り戻し、2014年シーズンに間に合わせることを目指している。

 当初は残りシーズンで上海マスターズ(2013 Shanghai Rolex Masters)を含むアジア開催の3大会に参戦後、パリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2013)と最終戦のATPツアー・ファイナルに出場する予定をしていた。

 手術が成功すれば、来年1月に行われる2014年シーズンの四大大会(グランドスラム)初戦、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2014)に間に合うと見られており、英国が米国と対戦するデビスカップ、ワールドグループ1回戦にも出場できる見込みとなる。(c)AFP