【8月30日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているモンサンミシェル(Mont Saint Michel)の南に風力発電所を建設する計画をめぐる裁判で、フランスの裁判所が、景観を損ねるとして計画中止を求めていた原告側の訴えを支持する判決を下していたことがわかった。原告側の弁護士が29日、明らかにした。

 環境と景観を保護する地元の団体と付近のシャトーの所有者らは、モンサンミシェルの修道院の南140メートルから4キロメートルの4か所の地点に風力タービンを建設するとする2011年5月の地元当局の決定に対して訴えを起こしていた。

 原告側の主張によると、風力タービンは晴天の日には年間250万人の観光客が訪れる同修道院から見える距離にあり、景観を損ねる可能性が高いという。

 原告側の弁護士、Benoist Busson氏によると、今月半ばに結審し、「風力タービンを好き勝手に建設することはできない」といった内容の判決が出されたという。

 1979年に世界遺産に登録されたモンサンミシェル近くに風力発電所を建設する計画は2008~10年の間に5件あったが、いずれも地元の裁判所によって中止を命じる判決が出されている。 (c)AFP