【8月29日 AFP】中国政府のニュース・ポータルで史上最高齢と紹介された中国西部に住む127歳とされる女性の出生記録を疑問視する声が専門家の間で上がっている。

 キルギスとの国境に近いカシュガル(Kashgar)出身のAlimihan Seyitiさんは、1886年6月25日生まれと新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の政府ウェブサイト「ts.cn」に記載されている。

 1949年に共産党政権が誕生するまで信用できる出生証明制度がなかった中国の長寿の記録は、一般的には国際的に認められていない。Seyitiさんが生まれたとされる当時、新疆の大部分はタジク(Tajik)人の軍閥リーダー、ヤクブ・ベグ(Yakub Beg)が、残りの地域はロシアが統治していた。

■根拠は無名の世界記録認定組織

 ウェブサイトts.cnは、あまり知られていない世界記録認定組織「扛旗世界紀録協会(Carrying the Flag World Records)」からの情報を、Seyitiさんが史上最高齢で、また56人の子孫がいることの根拠として引用している。

 これによるとSeyitiさんは歌が好きで、テレビで1度聞いた歌はすぐに覚えるほか、夏も冬も冷たい水を飲み、1回の食事で500グラムの肉を食べたり、スイカを丸ごと食べたりすることもあるなど食欲も旺盛だという。健康状態も良好で、家事や子どもの世話もこなし、バザール(市場)に買い物に行くのも好きだという。

 扛旗世界紀録協会は英ロンドン(London)に拠点を置いているとしているが、そのウェブサイト上の英文は「Carrying the flag is the first! Carrying the flag is the only!(扛旗は最初!扛旗は唯一!)」などといったもので、ほとんど理解不可能だ。

 ギネス世界記録(Guinness World Records)の大中華圏記録担当のチャールズ・ウォートン(Charles Wharton)さんはAFPの取材に対し、「現時点で、Seyitiさんからの申請はまだきていないので、その信ぴょう性を立証することはできません。彼女から申請を受けるのを楽しみにしています」と語った。(c)AFP