【8月22日 AFP】エジプトの裁判所は21日、汚職と反体制デモ参加者殺害の罪に問われていたホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)元大統領の保釈を認めた。

 その数時間後、ハゼム・ビブラウイ(Hazem al-Beblawi)暫定首相は、ムバラク元大統領が保釈されれば自宅監禁するように命じた。ムバラク氏保釈の決定は、エジプトの政治的混乱に新たな不安定要素を加える形になった。

 昨年、ムバラク元大統領は2011年の反体制デモ参加者約850人殺害への関与や汚職などで有罪となり終身刑の判決を受けたが、破棄院(最高裁)は再審理を命じていた。

 ビブラウイ暫定首相の命令によれば、ムバラク元大統領はカイロ(Cairo)か紅海(Red Sea)のリゾート地シャルムエルシェイク(Sharm el-Sheikh)で自宅監禁となる。ムバラク元大統領は他の罪にも問われており、次の審理は25日に予定されている。

■「同胞団狩り」続く

 一方、当局はムバラク元大統領の後任だったムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領が軍によって解任されて以来、数百人に拘束命令や逮捕状を出してモルシ氏の出身母体であるムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)指導者の一斉逮捕を続けている。

 イスラム主義の扇動的指導者やムスリム同胞団系の政党「自由公正党(Freedom and Justice Party)」の広報担当者も夜の間に拘束された。(c)AFP/Samer AL-ATRUSH