【8月3日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の最高医療責任者を務めるジリ・ドボラク(Jiri Dvorak)氏は2日、サッカー界でドーピングが深刻な問題に発展することはないだろうとの見解を示した。

 最近2か月間で、陸上の有力選手数人からドーピング検査で陽性反応が確認され、今年初めには自転車競技のランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏がうそをつき続けていた過去を告白したが、サッカー界は禁止薬物に関する悪いニュースがほとんどなかった。

 過去には、1994年のW杯でディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏の検査から陽性反応が示され、2000年代初頭にはイタリア国内でプレーしていた数人の選手がドーピングにより処分を受けているが、禁止薬物による問題は、ほかの競技と比べれば比較的良いといえる。

 ドボラク氏によると、ドーピング行為はサッカー界であまり行われていないとしている。

 FIFAの公式ウェブサイトでドボラク氏は、「私はサッカー界において、組織的なドーピングは行われていないと確信している。組織的なドーピングの文化はサッカー界には存在しないのだから」と語った。

「もちろん選手個人が行ったケースはある。私たちは毎年3万以上のサンプルを対象に検査を実施し、陽性反応が示されるのは70から90くらいだ。大半はマリファナとコカインで、たまにアナボリック・ステロイド(anabolic steroid)が確認されることもあるが、それは個人の問題だ」

 FIFAは2月に生体プロファイリングを開始している。これは自転車界における生体パスポートに近いもので、6月のコンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)で実施され、2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でも行われる。

 ドボラク氏はまた、FIFAがそのほかの機関とも連携していくことを明らかにした。

「現在、私たちは欧州サッカー連盟(UEFA)や、ほかの連盟と生体プロファイリング導入について話し合っている。すべての選手が登録することになるだろう」

「そして、もし私たちが疑いを持つようなことがあれば、より詳細で的を絞った検査を実施することになる」

(c)AFP