【7月23日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(76)は22日、ブラジルのリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)を訪れた。大挙した信徒が通りを埋め尽くし、史上初めて中南米から選出された法王の訪問を歓迎した。

 ジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領が出迎える中、空港の滑走路に法王が降り立つと集まった人々から拍手が起きた。法王はオープン型のジープに乗り込み、多数の信者が待つ中心街へ向かった。

 法王は1週間にわたって開催される「世界青年の日(World Youth Day)」の祭典に参加する。祭典には100万人以上の若い信徒が集まるとみられる。カトリック教徒が減少しつつあるブラジルを訪問した背景には、「よりつつましい教会」というフランシス法王の構想を広める狙いもある。

 ブラジルでは数週間前から公共交通料金や腐敗、2014年W杯ブラジル大会(2014 World Cup)開催のための巨額の費用への抗議行動が相次ぎ、100万人以上がデモに参加していた。法王が防弾仕様の専用車「ポ-プモービル(Popemobile)」には乗らないと決定したことを受け、同市当局は軍と警察から3万人を動員した。

 新興経済大国でありながら現在も数百万人が貧民街で生活しているブラジルでは、法王の「貧しい人のための質素な教会」というメッセージが有効に作用する可能性がある。(c)AFP/Laurent THOMET, Jean-Louis DE LA VAISSIERE