【6月28日 AFP】フランス・パリで6月30日から7月4日まで、13/14年秋冬オートクチュール・コレクションが開催される。期間中、1990年代に人気を博したデザイナー、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)がパリ・コレクションにカムバックを果たす。

■ラクロワ、「スキャパレリ」のデザイナーとして復帰

 故エルザ・スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)による「スキャパレリ」のデザイナーに就任したラクロワは、ブランドの再ローンチに際し、彼女にオマージュを捧げる15体の作品を発表する。

 スキャパレリは、ココ・シャネル(Coco Chanel)の最大のライバルとも言われ、シュールレアリストのサルバドール・ダリ(Salvador Dali)や画家ジャン・コクトー(Jean Cocteau)とのコラボレーションでも有名なデザイナー。中でも、白いイブニングドレスにダリがロブスターを描いた“ロブスター・ドレス”(1937年発表)や皮膚が裂かれたようなプリントの「ティア・ドレス」が世界的に知られている。

 「スキャパレリ」は第二次大戦後の禁欲政策のあおりを受けて1954年に閉鎖したが、2006年にイタリアの高級ブランド「トッズ(TOD'S)」のディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)会長兼CEOが買収し、2012年7月に正式に再始動した。

 ラクロワは1987年に自身のクチュール・メゾンを立ち上げ、1990年代には高級ブランドブームの波に乗って華麗な作品でファッション界を魅了した。しかし2009年12月、フランス裁判所はオートクチュールとプレタポルテの終了を含む大規模な事業縮小による再建計画を承認。同ブランドは高級品市場の急激な冷え込みにより、2008年に約1000万ユーロ(約13億円)の損失を出していた。

■その他注目ブランド

 カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が手がける「シャネル(Chanel)」は、7月2日にショーを開催する。今年は、ココ・シャネルが1913年夏に仏・ドーヴィル(Deauville)に「シャネル」初のブティックをオープンしてから100周年となる。また、「ヴィクター&ロルフ(Viktor&Rolf)」も10年ぶりにオートクチュールに復帰する。

 一方で「ジバンシィ(GIVENCHY)」は2シーズン連続での不参加となる。同ブランドによると、デザイナーのリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)はパリ・オペラ座のバレエ「ボレロ(Bolero)」の衣装制作にとりわけ労力を裂いているという。

 オートクチュール・コレクションを見たいが招待状がないという人に向け、7月3日にショーを行なう「フランク・ソルビエ(Franck Sorbier)」は43ユーロから8000ユーロ(約5500円から100万円)でチケットを販売している。(c)AFP/Caroline TAIX