【6月19日 AFP】米グーグル(Google)は18日、米国の国家安全保障上の捜査に携わる特別裁判所に対し、同社が米当局から受けた情報提供請求の件数を公開する許可を求めた。

 米国では、秘密裏に運営されている特別裁判所の監督の下、米国家安全保障局(NSA)が監視プログラムを通じて大量のデータにアクセスしていたことが暴露され、激しい抗議の声が上がっている。

 グーグルは、米連邦捜査局(FBI)の通称「国家安全保障レターズ(National Security Letters)」による請求と、法執行機関によるその他の請求件数を合わせた総数については、すでに自社の「透明性レポート」の中で公開していると説明。

「しかし、さらなる透明性が求められているため、わが社は本日、外国情報活動監視裁判所(Foreign Intelligence Surveillance Court)に対し、外国情報監視法(Foreign Intelligence Surveillance ActFISA)に基づく開示を含めた、国家安全保障上の情報請求件数を分けて、公表する許可を求めた」と、グーグルの広報担当者は語った。FISAは同裁判所の設置を法的に根拠づけている。

 グーグルの広報は「一部の企業に許可されてきたように、国家安全保障上の請求件数と犯罪捜査上の請求件数を合算して公表することは、わが社のユーザーにとって後退を意味する」と説明。「種別の合算件数」の公開を許可する判断を裁判所に求めたという。

■EFFが署名運動、21万件超に

 一方、インターネット上の権利擁護活動に取り組む米非営利団体、電子フロンティア財団(Electronic Frontier FoundationEFF)は、オンライン監視を廃止し、これまでの活動を全て公表するよう議会に圧力をかける運動を加速させている。EFFが前週立ち上げたサイト「stopwatching.us」のオンライン請願書にはすでに21万5000筆以上の署名が集まっている。

 請願書は「政府によるこの種の包括的なデータ収集は、米国の根本的価値観である自由とプライバシーを損なう」と述べ、オンライン監視プログラムが憲法上の権利を侵害していると批判している。また「われわれは議会に対し、監視を止めさせ、NSAとFBIのデータ収集プログラムに関する全面公開を実現させるよう、早急に行動することを要求する」としている。

■PRISMへの協力、各社が猛烈に否定

 米当局による大がかりな秘密監視プログラムが暴露されて以降、アップル(Apple)やフェイスブック(Facebook)、マイクロソフト(Microsoft)、その他のインターネット大手やIT大手企業には、批判のまなざしが向けられている。

 当局はあくまで、監視プログラムは外国人のテロ容疑者のみを対象としたもので、攻撃の阻止に役立ってきたと主張している。

 またグーグルやフェイスブックなど各社は、NSAとFBIにサーバーへの裏口を提供する「PRISM」と呼ばれる秘密プログラムへの参加は承知していたものではないと、猛烈に否定している。

 PRISMは2007年に設置されたとされ、現在では米上層部の極秘情報を毎日、大統領に報告する「大統領日報(President's Daily Brief)」で、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領に最も多くの情報を提供するほどに成長したという。

 同プログラムに参加した企業として名前が挙がっているのは、アップル、AOL、フェイスブック、グーグル、マイクロソフト、パルトーク(Paltalk)、スカイプ(Skype)、ユーチューブ(YouTube)など。

 インターネット大手各社はAFPの取材に対し、情報機関に裏口を提供していたことを否定し、合法的な「表玄関からの」請求にしか協力していないとの主張を堅持した。(c)AFP/Rob Lever