【6月14日 AFP】米国政府が個人の電話記録やインターネット利用を極秘裏に監視していた事実を暴露したエドワード・スノーデン(Edward Snowden)氏(29)について、連邦捜査局(Federal Bureau of InvestigationFBI)のロバート・モラー(Robert Mueller)長官は13日、米当局がすでに刑事捜査を開始しており、スノーデン氏を訴追するため「必要となるあらゆる措置」を講じていることを明らかにした。

 10年以上にわたってFBI長官を務め、間もなく退任する予定のモラー氏は、インターネットと電話の監視は今や不可欠なツールとなっており、これを使っていれば2001年9月11日の同時多発テロは阻止できたかもしれないと述べ、当局による監視行為を擁護した。

 モラー長官は下院司法委員会(House Judiciary Committee)の公聴会で議員らに対し、「今回の暴露により、われわれの国家と安全が甚大な損害を被った。暴露を行ったと認めている者は、現在進行中の刑事捜査の対象となっている。この人物の責任追及のため、必要となるあらゆる措置を講じている」と述べた。政府がスノーデン氏の捜査に乗り出していることをはっきり認めたのは、モラー長官によるこの発言が初めて。

 情報技術の専門家であるスノーデン氏はこれまで、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)で外部請負業者からの出向職員としてコンピューターネットワークの管理に携わっていた。現在は中国の特別行政区である香港(Hong Kong)に逃れており、今後見込まれる引き渡しについては、法廷で断固闘っていくと述べている。(c)AFP/Dan De Luce