【5月31日 AFP】男子テニス世界ランク2位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は、自分からメディアに話題を提供することは一切しない。しかし、不愛想のように見えるその態度は、自分にとって好ましくない記事を書かれることを避けるためだと明かした。

 記者の質問に不機嫌そうに対応することで知られているマレーだが、それは彼がテニス選手としてのキャリアを始めた初期に、不用意なコメントをした経験から学んだからだと述べている。

 30日に発売された英雑誌GQのインタビューでマレーは、「アスリートとして自分がするべきことは、テニス選手として最善を尽くすことだと考えている」と語った。

「好感度なんてどうでもいいと思っている。正直に言うと、自分にとって会見やインタビューでいろんな人と打ち解けたり、笑顔をふりまくことは難しいことだと感じてきた」

「僕はいつも率直に答えるよう努めている。でも話が大きくならないよう、とてもつまらない答えを返すことになってしまう」

■ガルビス、男子テニス界ビッグ4のインタビューは「つまらない」

 マレーの告白は、ラトビアのエルネスツ・ガルビス(Ernests Gulbis)が男子テニスのビッグ4、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、マレーを「退屈だ」と批判した内容に一致する。

 29日に行われた全仏オープンテニス2回戦でガエル・モンフィス(Gael Monfils、フランス)に敗れているガルビスは、フランスのレキップ(L'Equipe)紙に対し、「現代のテニスは哀れなほど個性に欠けている」と苦言を呈していた。

 ガルビスは、「僕はロジャー、ラファエル、ノバク、そしてマレーを尊敬している。だけど僕にとって4人は全員つまらない。彼らのインタビューは退屈だ。本当に彼らは退屈なんだよ」と述べており、なかでもフェデラーが最悪だとしている。

「僕は時々ユーチューブ(YouTube)でインタビューを見るんだ。だけど、テニスのインタビューはつまらないからすぐに見るのをやめたよ。それは冗談だけどね」

「この風潮を始めたのはフェデラーだった。彼には欠点が見当たらないスイス出身の素晴らしい紳士だというイメージがある」

「何度も言うけれど、僕はフェデラーを尊敬している。だけど若手選手が彼を手本にしていることが好きじゃないんだ」

■各方面に敬意を払い、慎重にインタビューに臨むトップ選手

 フェデラーは自分が世間を驚かせるような話題の渦中になることはないという事実を認めたが、男子ツアーでは選手が順守しなければならない記者会見への出席があまりにも多すぎると批判している。

「僕らのインタビューが面白い内容ではないということは承知している。だけど、それは僕らだけの責任ではない。僕らは試合後にかならず記者会見に出なければならない」

「僕たちは自分が好ましく思ってないことを話したら、どうしても多くの人たちからの批判を受けることになるんだ。だからみんな慎重になる」

「その一方で、僕らがお互いを尊重し合って接することは素晴らしいことだと思っている」

 また、ジョコビッチは29日の会見で、敬意をもって試合に臨むことはとても重要であるとともに、論議を呼んだり、印象に残るような話題を毎回提供するのは不可能だと語る。

「私たちにはお互いが尊重しなければならない特定のルールが存在している。トップ選手は競技や関係者やお互いに敬意を払っている」

「記者会見では、こう言おうとか、ああ言おうとか答えを考える時間は設けられていない。でも創造性も大切だ。創造性があれば注目もされるし楽しいこともできるんだ」

(c)AFP