【5月27日 AFP】エジプト南部の古代遺跡ルクソール(Luxor)神殿のレリーフに漢字の落書きがあるのを中国人観光客が見つけ、写真を中国のマイクロブログサービス「新浪微博(Sina Weibo)」に投稿したところ、インターネットユーザーたちが「犯人狩り」を開始し、名指しされた少年(15)の両親が謝罪する騒ぎに発展した。国営紙の環球時報(Global Times)やチャイナ・デーリー(China Daily)が27日に報じた。

 報道によると落書きに怒ったネットユーザーたちは、落書きの「犯人」として1人の男子中学生を名指し。この少年が通う中学校のウェブサイトをハッキングし、ログイン画面を少年の落書きを茶化したものに書き換えた。このため少年の両親は、地元紙上で謝罪を表明したという。両親によれば、学校のウェブサイトがサイバー攻撃されたことを知ってから、少年は夜通し泣き続けていたという。

 この落書き事件騒動の背景には、休暇を海外で過ごす中国人が増えている現状がある。

 汪洋(Wang Yang)副首相は今月初め、一部の中国人旅行客が海外で「非文明的な振る舞い」をしているため中国のイメージが損なわれていると指摘。公共の場で大声で話したり、交通規則を無視したり、たんを吐いたり、景勝地に漢字で落書きをするなどのマナーの悪さに苦言を呈した。

 近年、海外を旅行する中国人は急増しており、国連世界観光機関(UN World Tourism OrganizationUNWTO)によると世界の観光収入に最も貢献しているのは中国人観光客となっている。(c)AFP