【3月19日 AFP】アルゼンチンのクリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネル(Cristina Fernandez de Kirchner)大統領は18日、バチカンで新ローマ法王フランシスコ1世(Francis)と会談し、同国が英国と領有権を争うフォークランド諸島(Falkland Islands)問題の仲裁を要請した。

 19日に行われる新法王就任式に出席するためにバチカン入りしているフェルナンデス大統領は、同じアルゼンチン出身のフランシスコ1世との会談後に開いた記者会見で、「(アルゼンチンと英国)両国間の対話を進めるための仲介をお願いした」と明かした。

 同大統領は、過去にヨハネ・パウロ2世(John Paul II)がアルゼンチンとチリの領土争いの仲裁役を果たしたことを指摘。またアルゼンチンのメディアによると、フランシスコ1世は以前、フォークランド諸島を「われわれのもの」と呼んだことがあるという。

 フランシスコ1世は、ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(Jorge Mario Bergoglio)枢機卿としてアルゼンチンの首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)の大司教を務めていた頃、特に同性婚や人工妊娠中絶といった問題をめぐり、フェルナンデス政権と衝突していた。フェルナンデス大統領の亡き夫で前大統領のネストル・キルチネル(Nestor Kirchner)氏は、舞台裏で政治家たちと頻繁に会っていたベルゴリオ大司教を「野党の真の党首」と呼んでいた。(c)AFP/Dario Thuburn