【3月19日 AFP】シリア反体制派の統一組織「シリア国民連合(Syrian National Coalition)」は18日、トルコのイスタンブール(Istanbul)で暫定首相を選出するための会合を開いた。暫定首相は暫定政府を樹立し、内戦が続くシリアで反体制派が支配する地域を統治することになる。

 暫定政府の樹立によって、反体制派にとっては国際社会での信頼獲得につながる一方、同連合のアフマド・モアズ・ハティブ(Ahmed Moaz al-Khatib)代表が1月に提案したバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権との和平交渉が遠のく可能性もある。

 シリアの中心的な反体制武装組織「自由シリア軍(Free Syrian ArmyFSA)」指導者のセリム・イドリス(Selim Idriss)准将はイスタンブールで同日、暫定政府による統治をシリア全体に広げ、「国内唯一の正統な政府となることを求める」とAFPに語った。

 さらにイドリス氏は、「われわれはシリアで、戦うための武器と弾薬を必要としている」と述べ、「欧州諸国から武器の提供を受けられた場合、それが悪用されたり、過激派の手に渡ったりすることのないよう、絶対の保証を与える」と明言した。フランスと英国はすでに、欧州連合(EU)の総意が得られなくとも、反体制派に武器を提供することを表明している。

 一方、シリアとレバノンの国境地域では同日、シリア政府軍による初のレバノン国土への空爆が行われたもようだ。標的となったのは、住民の多くがシリア反体制派を支持しているレバノン東部アルサル(Arsal)。レバノン軍高官はAFPに、レバノン国内のシリア反体制派戦闘員を狙ったとみられるミサイル4発が発射されたと語った。(c)AFP/Serene ASSIR