【3月5日 AFP】バチカン市国で4日、カトリックの枢機卿のみが出席する非公開の会議に聖職者を装った男が紛れ込もうとする事件があった。偽者であることが判明すると、男はバチカンの警備を担うスイス衛兵らに入場を拒まれた。

 聖職者の腰帯に似た紫色のスカーフを腰に巻きローブを身に着けた男は、出席した司祭や枢機卿らと握手を交わしたり談笑するなどしていた。自らを「バシリウス」と名乗り、記者らに自分が「イタリア正教会」のメンバーだと語っていたが、そのような宗派は(正式には)存在しない。

 男はまた、記者らに対し、児童への性的虐待疑惑の出ている神父らを別の教区に移動したカトリック教会の決定は間違っているなどと述べていた。

 男は自身のブログで、「コーパス・デイ(Corpus Dei)」というカトリック系宗教組織の創設者だと主張している。また「念じるだけでコンピューターを操作できるシステム」を開発したなどと語っているほか、「イエス(キリスト)のヨガ」の普及活動に取り組んでいるとした。(c)AFP