【2月27日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏が26日、訪問先のイタリア・ナポリ(Naples)で記者会見を開き、同国での税金未納問題について言及した。

 イタリア・セリエAのナポリ(SSC Napoli)で選手として一時代を築いたマラドーナ氏は、その思い出の地で同国の税務当局に対し、「人を殺したわけではない。公正な判断を下してもらいたいと懇願しに来ただけだ」と訴えた。

 同氏は自身が詐欺行為の「被害者」であると延べ、税金未納問題ついて同国のジョルジョ・ナポリターノ(Giorgio Napolitano)大統領に会い、すべてを説明したいと願っていることを明らかにした。

 W杯優勝経験を持ち、1986-87シーズンと89-90シーズンにはナポリをリーグ優勝に導いた立役者だったマラドーナ氏は、2005年に脱税の罪で起訴され、滞納期間延滞金2350万ユーロ(約30億円)を含む、総額3720万ユーロ(約45億円)の支払いを言い渡された。

 イタリアの裁判所は2012年11月に、捜査段階で手順の誤りがあったことを認め、新しい調査の開始を命じている。

 マラドーナ氏は25日にスポーツ大使を務めているアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)からイタリア入りし、滞在しているホテルで、スコアレスドローに終わったナポリ対ウディネーゼ(Udinese)の試合を観戦した。

 記者会見中、会場のホテルの外には大勢のファンが詰め掛けてナポリ市のメインストリートのひとつである道路を占拠し、マラドーナ氏への称賛の言葉を繰り返し叫んでいた。

 また、マラドーナ氏は混乱している現在のイタリアの政治状況について皮肉を込めてコメントした。

「今誰がイタリアの首相なのか知らないね」

(c)AFP