【2月24日 AFP】富裕層に対する仏政府の高率課税に反発してロシア市民権を取得した仏俳優ジェラール・ドパルデュー(Gerard Depardieu)氏(64)が23日、ロシア中部モルドビア(Mordovia)共和国で住民登録手続きを取った。

 ドパルデュー氏は同共和国の首都サランスク(Saransk)の国立劇場で開かれた盛大な記念式典で登録文書に署名し、パスポートにスタンプを押されて正式に同共和国の住民となった。一連の手続きは式典に集まった大勢の人々から大きな拍手で歓迎され、同氏は満面に笑みを浮かべていた。

 新居はサランスク市内の高級住宅街である「民主主義通り1番街」のアパートと発表された。ドパルデュー氏の知人でロシア国立映画基金のニコライ・ボロダチェフ(Nikolai Borodachev)会長の親戚が所有している物件だという。

 ロシアの市民権保有者には居住地となる市町村への住民登録が義務付けられており、証明としてパスポートに当局のスタンプを押してもらうことが必要。ドバルデュー氏のパスポートは先月、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領から直接発給された。ドバルデュー氏が市民権取得後にロシアを訪問したのは先月に続いて2度目で、同氏はサランスク市内に数日間滞在する見通し。

 モルドビア共和国はこれまで主に、プーチン大統領を批判する歌を演奏し有罪判決を受けた女性ロックバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」のメンバー1人が服役中の収容所があることで知られていた。地元住民の多くはフィン系の言語を話すモルドビン人で、サランスクはサッカーの2018年ワールドカップ(World Cup)ロシア大会の試合開催地でもある。(c)AFP/Andrey SMIRNOV