【2月22日 AFP】マラソンランナーとしては世界最高齢とみられる101歳のファウジャ・シン(Fauja Singh)さんが21日、今週末に香港で行われるレースを最後にマラソン競技から引退すると発表した。

 インド・パンジャブ(Punjab)州の農家の息子に生まれ、後に英国に移住。「ターバンを巻いた魚雷」の愛称で親しまれているシンさんが長距離を走り始めたのは89歳の時。以来、ロンドン(London)やカナダのトロント(Toronto)、米ニューヨーク(New York)などで、9つのフルマラソンを完走した。トロント大会で達成した5時間40分4秒がシンさんのベスト記録だ。

 だが、ついに年齢には勝てないと悟ったという。シンさんは今年の4月1日で102歳になる。

 生涯で最後のレースとなる24日の香港でのマラソン大会を前に、パンジャブ語しか話さないシンさんは通訳を介して「引退するという事実に心が痛む」と記者会見で胸の内を語った。「本当のところは『引退』などという言葉は聞きたくない。今だって走ってバスに飛び乗っている。これまでに体験したことのない後ろ向きな気持ちだ」

 香港マラソンには複数の部門があり、今年は大会史上最高となる総勢7万2000人が参加する予定で、シンさんは10キロメートル部門に出場する。

 体重52キロのシンさんは至って健康だが、年齢とともにレースで走ることが「しんどくなってきた」と言う。このため、最高潮の状態で引退すべきだと考えたという。

 シンさんのトレーナーによれば、シンさんはレースからは引退しても、日課となっている16キロのランニングは続けるという。13年間、シンさんを指導してきたトレーナーはシンさんの姿勢に刺激され感銘を受けてきたと話す。「非常に前向きなのです。私が『今日は10キロ走りましょう』と言うと、『いや、20キロ走ろうよ』と言うんですよ」

 シンさんのファーストネームの「ファウジャ」は「兵士」を意味するが、まさにその名にふさわしい精神を持っていると、トレーナーはシンさんを称賛した。(c)AFP/Beh Lih Yi