【2月5日 AFP】インドで開催中の世界最大の宗教的祝祭「マハ・クンブメーラ(Maha Kumbh Mela)」──このヒンズー教の大祭では精神的な高揚感を体験できるというが、あまりの人混みで迷子になったり仲間とはぐれたりする人が後を絶たないという。

 12年に1度開催されるマハ・クンブメーラは、ガンジス川(Ganges River)が流れるインド北部で行われる。中でもアラハバード(Allahabad)では、最も盛り上がる10日に2000万人もの人々が沐浴(もくよく)に詰めかけることが予想されている。

 会場周辺にはグル(指導者)や修行者のために用意されたテントが数多く立ち並び、ちょっとした町が出現する。巡礼者らはこの混雑の中を所狭しと進み、ガンジス川のほとりを目指す。

 しかしマハ・クンブメーラが開催されるたびに必ず浮上するのが人混みの問題だ。携帯電話があれば、はぐれた仲間や家族と再会することも簡単だが、子どもや高齢者など携帯電話を持っていない人が迷子になった場合はどうすることもできない。

 地元団体が設けた「遺失物取扱所」で、すすり泣きながら座っていたある80歳前後の女性はAFPに対し、「娘と手をつないで沐浴エリアを歩いていたのだけれど、大勢の人に押されてはぐれてしまいはぐれてしまった」と取り乱した様子で話した。

 彼女の他にも、暗い面持ちでじっと迎えを待っているサリー姿の女性が複数見られた。迷子になった10歳の男の子は、2日後にようやく家族の友人に連れられて家に帰ることができた。

 アラハバードでは6年前、マハ・クンブメーラと似た小規模の祝祭で迷子になったある少女が、15日間迎えを待ち続けたことがあった。地元団体が現地の新聞に彼女の写真を載せたところ、両親がようやく現れたという。(c)AFP/Adam Plowright JAY KANOJIA