【1月23日 AFP】21日に行われたバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の就任式で歌手のビヨンセ(Beyonce)が披露した国歌独唱が、実は事前に録音された音声に口を合わせ、歌っているかのように見せかける「口パク」だった疑いが出ている。

 きっかけは、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が伝えた米海兵隊の音楽隊報道官の話。それによると、音楽隊員らは国歌独唱の直前に、ビヨンセが海兵隊と共に事前録音した演奏が本番で使われることを知ったという。「なぜだかは分かりませんが、私たちはそう指示されたのです。ビヨンセさんの技量が足りないというわけではない。私たちは皆、ビヨンセさんの歌が上手だということも、音楽隊の演奏が上手だということも知っています」

 だが22日、海兵隊側はこの発言を撤回し、事前録音が使われたのは音楽隊による伴奏のみで、就任式が行われていた連邦議会議事堂の外に集まった聴衆に向けたものだったと説明。ビヨンセと音楽隊による合同リハーサルの機会がなかったため、「音楽隊によるライブ演奏はこのように重要な式典にふさわしくないとの判断が下された」としつつ、ビヨンセの歌については「生声か事前録音かを判断することは、われわれにはできない」とも述べた。

 22日の時点で、電子メールでの問い合わせに対するビヨンセの広報の返答はない。(c)AFP/Robert MacPherson