【1月15日 AFP】中国の銀行で新たに導入されたあるサービスに多くの男性から批判の声が寄せられている──そのサービスとは、夫の口座に振り込まれる一定額以上の収入を自動的に妻の口座に送金するというものだ。

 同サービスを提供する招商銀行(China Merchants BankCMB)は、この「資本蓄積サービス」について、夫婦の「時間と労力を節約する」預貯金対策とウェブサイトで説明している。
 
 マイホームの購入資金を貯めようと苦労するシンヤン(妻)とウェンハオ(夫)という架空の夫婦が登場するCMBのCMでは、「当行がウェンハオの口座残高を毎日チェックし、1000元(約1万4400円)を超えた分を自動的にシンヤンの口座に送金します」と説明。「CMBの『資本蓄積サービス』を利用し始めてから、シンヤンとウェンハオは以前にも増して親密に、そして末永く幸せに暮らしました」と続く。

 中国では伝統的に妻が家計をやりくりしてきた。しかし近年、若い世代を中心にこうした慣習も変わりつつあり、そのような流れの中、CMBの広告が激しい論争を巻き起こすことになった。

 ある携帯電話向けニュースサイトは物議を醸しているCMBのサービスを、「歴史上、男性に対して最もむごい銀行サービス」との見出しで伝えている。

 また中国版ツイッター(Twitter)の「新浪微博(Sina Weibo)」でも、「男たちよ。絶対に妻をCMBに行かせてはいけない」「理解できない。中国の全ての男を無能にしたいのか。それとも全ての家庭をばらばらにする気か」など怒りの書き込みが相次いでいる。(c)AFP