【12月28日 AFP】日本プロ野球や米大リーグ(MLB)で活躍した松井秀喜(Hideki Matsui、38)が27日(日本時間28日)、現役からの引退を表明した。松井は日本で10年、MLBで10年と合計20年間の選手生活にピリオドを打った。

 その打撃力から「ゴジラ」のニックネームを持つ松井。プロ野球の読売ジャイアンツ(Yomiuri Giants)で1993年~2002年の間主砲としての地位を確立し、332本塁打を記録。セ・リーグで3度の最優秀選手(MVP)受賞、9度のオールスター選出を果たした。

 MLBの名門、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)に移籍後、松井はデビュー早々チームで名跡を残した。2003年4月8日、対ミネソタ・ツインズ(Minnesota Twins)の本拠地開幕戦で満塁ホームランを放ち、ヤンキース史上初めてヤンキースタジアム(Yankee Stadium)での初試合で満塁本塁打を記録した選手となった。

 2009年のワールドシリーズでは前年覇者のフィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)との6試合で打率.615、3本塁打、8打点を挙げ優勝に貢献し、日本の野球ファンとヤンキースファンを熱狂させた。ヤンキースタジアムで行われた同シリーズ第6戦で松井は6打点を挙げる活躍をみせ、チームは7-3でフィリーズを下し優勝。松井は同シリーズのMVPに輝いた。

 ヤンキースのブライアン・キャッシュマン(Brian Cashman)ゼネラルマネージャー(GM)は「野球が国際的にも注目され、世界中の情熱的なファンを結ぶ競技であるということを、松井は証明してくれた。彼は若い野球ファンにお手本にしてもらいたい選手・人である。松井は、その才能だけでなく、尊厳と自制心を持ってプレーに臨み、全盛期には本当に輝いていた。人々が自然と引き付けられるその魅力が、彼の人間性を物語っている。松井は正真正銘のプロ。彼がヤンキースの一員として、優勝トロフィーを掲げることが出来たことは、とても良かったと思う」とコメントした。

 ヤンキース退団後、松井は2010年シーズンにロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム(Los Angeles Angels of Anaheim)に移籍。2011年にはオークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)、2012年にはタンパベイ・レイズ(Tampa Bay Devil Rays)と、過去3シーズンで3チームに所属した。

 ヤンキースでの7シーズンで松井は140本塁打、MLBでは通算175本塁打を記録している。

 2012年に松井はレイズの一員として34試合に出場したものの、わずか2本塁打、7打点を記録するにとどまった。レイズは8月に松井を放出したが、ジョー・マッドン(Joe Maddon)監督は松井を「殿堂入りに値する力量を持った選手」と絶賛していた。

 ヤンキースのスター選手、デレク・ジーター(Derek Jeter)は松井を最も好きなチームメイトの一人として挙げている。「秀喜の日々の努力は見事なものでした。彼を本当に尊敬しています。彼は多くの人に頼りにされる人で、2009年のワールドシリーズで優勝した大きな理由は秀喜の存在でした」とコメントした。(c)AFP