【11月19日 AFP】いわゆる「影の金融」といわれるノンバンクの規制をめぐり、主要国の金融監督当局で構成する「金融安定理事会(Financial Stability BoardFSB)」は18日、一定の計算手法に最低基準を課すことや、ファンドマネージャーの報告要件見直し、レバレッジに対する規制導入などを含む提言を発表した。

「影の金融」と呼ばれる金融セクターには、銀行のような規制を受けずに融資や信用保証を行っているヘッジファンドや金融会社、証券会社などが含まれ、業界の規模は2011年時点で推計67兆ドル(約5400兆円)に達している。

 数々の国際銀行が破たんし世界経済全体が崩壊の危機にさらされた08~09年の世界金融危機を受けて、規制の緩い「影の金融」セクターの規模やシステミック・リスクにも厳しい視線が注がれるようになり、主要20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)は2011年、「影の金融」に対する監視と規制の強化を決定した。

 今回の提言について、FSBは「影の金融への各国当局の対処法が対象」だとし、その目標は「影の金融を適切な監視・規制の下に置き、通常の銀行システム外で生じる金融の安定をおびやかすリスクに対処しつつ、そうしたリスクをもたらさない持続可能なノンバンク金融モデルを妨げないこと」だと説明している。(c)AFP