【11月14日 AFP】英ロンドン警視庁は13日、イングランド・プレミアリーグで審判を務めるマーク・クラッテンバーグ(Mark Clattenburg)氏がチェルシー(Chelsea)のジョン・オビ・ミケル(John Obi Mikel)に対し人種差別的な発言をしたとされる件について、調査の打ち切りを発表した。

 チェルシーが2-3で敗れた28日のマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)戦で、クラッテンバーグ氏が所属のミケルに対し人種差別主義者ととれる発言をしたとイングランドサッカー協会(Football AssociationFA)に対し苦申し立てを行ったことを受け、法律事務所がロンドン警視庁に対し、クラッテンバーグ氏に関する報告を提出していた。

 FA側の調査は続いているものの、警察は声明で、当局としては「現状ではこの件に関する捜査は難しい」と発表している。

「申し立てにあった、2012年10月28日のスタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)におけるチェルシー対マンチェスター・ユナイテッド戦での発言について、当局は29日に申し立てを受領し、その後捜査を開始した」

「調査の結果、被害者が名乗り出なかった。本件は事件として記録されるが、被害者、または何らかの人種差別的発言がされたという証拠が見つからないため、これ以上の捜査は難しい」

 しかしながら声明で当局は、事件に関してもう一度見直す可能性はあると述べ、「状況が変わり、犯罪が行われたと裏付ける被害者が現れたり、証拠提出された場合は適切な形で追跡捜査を行う」としている。

 12日には、37歳のクラッテンバーグ氏が17日、18日のプレミアリーグの試合の審判団から外れることが発表されている。同氏が審判団を外れるのは3週連続で、チェルシーが苦情申し立てを行って以降、試合主催者はしばらく同氏を一線に立たせるべきではないと判断している。

 一方で英国内の報道機関は、FAによるクラッテンバーグ氏の人種差別発言に関する調査については、今週末に結論が出る可能性を示唆している。(c)AFP/Julian Guyer