【10月3日 AFP】スウェーデン家具大手、イケア(Ikea)のサウジアラビア市場向けのカタログで、一部写真から女性の姿が消えていることが分かり、本国スウェーデンで批判の声が上がっている。

 イケアのサウジアラビア向けウェブサイトで公開された2013年カタログでは、女性が消えているというただ一点の違いを除いて他の国々のカタログとまったく同じ画像が使われている。

 イケアのフランチャイズ本部、インター・イケア・システムズ(Inter IKEA Systems)の広報担当者は「現在、問題を調査中で、サウジアラビアのフランチャイズ契約者に話を聞いている」と説明している。また、同広報は、同社が新規市場に参入する際には常に、地元文化や法律とイケアの価値観とのバランスをとることが可能かどうかを検討していると付け加えた。

 サウジアラビア版のカタログから消えていたのは、机で勉強をしている少女の姿など。平等主義で性差別が少ないことを自負するスウェーデン国民は、この問題に強い反応を示している。

 スウェーデンのエバ・ビョーリング(Ewa Bjoerling)貿易相は声明を発表し、「現実から女性を取り除くことも修正して消すこともできない。女性が姿を見せたり声を上げたり働いたりすることをサウジアラビアが認めないのだとしたら、彼らはその知的資本の半分を無駄にしている」と述べた。

 サウジアラビアは性別による差別的な規則が厳しく、女性は運転を禁じられ、旅行をする際にも医療を受ける場合にも男性の保護者による許可を必要とする。(c)AFP