【10月1日 Relaxnews】米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)が仏教寺院の近くに新店舗をオープンし、論争を巻き起こしていると、中国国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が伝えた。

 杭州(Hangzhou)市に先週オープンしたスターバックスの店舗に対し、古くから「瞑想の地」として知られる霊隠寺(Lingyin Temple)の近くに欧米系の店があることが適切かどうかという疑問が巻き起こっている。インターネット上では中国に対する「文化的侵略」ではないかという議論まで持ち上がった。

 中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo)」では、「コーヒー豆と線香の香りの組み合わせは、さぞかし芳ばしい金銭の香りがするに違いない」という皮肉や、「皇宮に入って、スターバックスは仏になった」というつぶやきもあった。

 一方で市当局はスターバックスを擁護している。「実際、その店舗は寺院からかなり離れている。補助施設の一部として、寺院外の霊隠路観光サービスエリア内にある」と霊隠周辺を管轄する担当局次長が24日、新華社(Xinhua)通信に語った。

 スターバックスは店舗名から「寺」という文字を削除し、「スターバックス霊隠店」とすることで、この論争に対応してきた。同社はまた新浪微博に、店舗の実際の場所は、霊隠寺の入り口から徒歩20分ほど離れているというコメントを追記した。

 文化の衝突をめぐってスターバックスが議論の的となったのは、これが初めてではない。2007年には、北京・紫禁城(Forbidden City)の店舗が閉店した。これは国の象徴の敷地内に欧米系のチェーン店があることに民衆から不満の声が上がったためだった。(c)Relaxnews/AFPBB News