【7月31日 AFP】米コロラド(Colorado)州オーロラ(Aurora)の映画館で20日未明に銃を乱射して12人を殺害、58人を負傷させたとして逮捕された男の審理が30日、同州センテニアル(Centennial)のアラパホー(Arapahoe)郡地裁で行われ、検察側は男を殺人など142の罪で起訴した。

 ジェームズ・ホームズ(James Holmes)被告(24)は映画「バットマン(Batman)」シリーズの最新作『ダークナイト・ライジング(The Dark Knight Rises)』上映中の映画館にいた観客を強力なライフルで銃撃して逮捕された。負傷者のうち10人は現在も入院中で、うち4人は重体。

 ホームズ被告は、事件で死亡した12人のそれぞれについて、故意殺人と悪意ある殺人の第1級殺人の2つの罪、さらに58人を負傷させたことによる殺人未遂の116の罪、爆発物所持の1つの罪、さらに暴力犯罪の判決強化(通常より刑罰を重くすること)1件に問われた。

■法廷でほとんど口を開かず

 1週間前の23日に髪をオレンジと赤に染めて初出廷し、法廷で目を見開いたり、ぼんやりと伏し目がちに目を閉じたりして見る人を驚かせたホームズ被告だったが、30日は前回よりは審理に集中している様子だった。

 しかしほとんど話さず、判事に予備審問の権利の放棄を希望するかと尋ねられて「はい」と1度答えただけだった。髪の色は前回と同じだったが、くしでとかされて前回よりはきちんとしていた。目を見開いたり静かに正面を見つめたりしていた。

 弁護団は27日、ホームズ被告がコロラド大学の精神科医リン・フェントン(Lynne Fenton)医師に事件前に送っていた小包を入手しようとする中で、被告が同医師による治療を受けていたことが分かったと明らかにした。

 弁護団は検察側が報道機関にこの小包の存在をリークしたと批判している。報道によると小包には針金のような線で描かれた人物が銃を乱射するイラストなど犯行計画が入っていたと報じられている。(c)AFP/Jeanie Stokes