【6月28日 MODE PRESS】ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)表参道ビル内のアートスペース「エスパスルイ・ヴィトン東京(Espace Louis Vuitton Tokyo)」で、フィンランドを拠点に活動する3名の気鋭アーティストによるグループ展「AWAKENING(アウェイクニング)」が、9月9日まで開催されている。

 本展は、エスパス ルイ・ヴィトン東京が「国」や「発見」に焦点をあて開催するシリーズ展の第1回目。ペッカ・ユルハ(Pekka Jylhä)、ハンナレーナ・ヘイスカ(Hannaleena Heiska)、サミ・サンパッキラ(Sami Sänpäkkilä)の3名が「アウェイキング(=目覚め、覚醒)」をキーワードに制作した新作を通じ、フィンランド・アートの「今」を伝える。

■洞窟のような空間

 今回の展示にあわせ、普段はガラス越しに自然光が降り注ぐアートスペースを黒い幕で覆いこみ、まるで洞窟のような薄暗い空間に一変させた。神秘的で静謐な“ブラックボックス”に足を一歩踏み入れると、「光と影」や「生と死」といった明暗が織り成す繊細なコントラストを鋭く捉えた作品が待ち構えている。

 ユルハは、壁に埋められた巨大な耳からイヤリングが垂れ下がる「THE WALLS HAVE EARS, EARS HAVE PRETTY EARRINGS」などクリスタルを使った立体3点を、ヘイスカは、ハードコアパンクのライブ会場に集った若者の姿をクラシック音楽にのせて描いた「TODAY WE LIVE」と、絵画の筆触を意識したカメラワークが光る「RIDESTAR」のビデオインスタレーション2点を展示。サンパッキラは、会場から2012年7月25日に見える星空を暗幕に刻んだ「STARWALL」と、宇宙の終末理論に対する独自の解釈を表現したインスタレーション「THE BIG CHILL」「THE BIG CRUNCH」を出展した。異なるアプローチの作品同士が暗闇の中で響きあい、鑑賞者の感覚を覚醒させていく。

 キュレーターは、11年度ヴェネチア・ビエンナーレでフィンランド・パビリオンのキュレーションを担当したラウラ・コーニッカ(Laura Köönikkä)。「光に満ちたこの空間を“ブラックボックス”にできないか、という発想から、死や誕生、自然に結びつく『アウェイクニング』というテーマが思い浮かんだ。国内の現代アートを代表する3人がそれぞれに表現した“フィンランドの本質”を感じ取ってほしい」と語った。

【イベント詳細】
『AWAKENING』
開催期間: 2012 年6月9日(土)~9月9日(日) 会期中無休
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京/東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン 表参道ビル7階
(※サミ・サンパッキラの作品『THE BIG CRUNCH』の一部は1Fでも展示)
開館時間:12:00~20:00 入館料:無料
電話:03-5766-1094
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